ハミだし葉

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久々スティーブン・ユニバース感想〜字幕版〜

〜2019年〜


https://katabamimicro.hatenablog.com/entry/2019/11/12/141619

"よし!今回もスティーブン・ユニバースのニューエピ感想を書いたぞ!いや〜面白かったなあ"

"さて……今回書いたのは#123「やって来たルビー」までかあ。既にシーズン4のラストである#128まで視聴してるけど、そんなに一気に書けないし、続きはまたしばらくしてから書くことにしよう。"

"とりあえず、いつも通り次の吹き替え版が上陸したらにしようかな。この分だとシーズン5もすぐ上陸するだろうし、感想を書くのはその時でいいや。"


〜2024年〜

おかしい……まだスティーブン・ユニバースの吹き替え版ニューエピソードが上陸しない‼️‼️


………………


海外アニメ感想記事ではお久しぶりです。ギリギリ令和だった2019年末から、あっという間に4年半以上が過ぎてしまいました

ティーブン・ユニバースですが、その間なにも動きがなかったわけではありません。実際今日に至るまで、日本カートゥーンネットワークではスティーブン・ユニバースを映画版や続編も含めた最終話までしっかり放送しております。字幕版で

……これが4年の間非常に私の頭を悩ませ筆を鈍らせていたものの正体でして。というのも、私は基本的に吹き替え版のキャストも含めたスティーブン・ユニバースが好きなので、できれば最終話まで吹き替え版で視聴したい気持ちがあったんです。

だから字幕版が開始してカートゥーンネットワークで最終話まで放送されるようになっても、どこかで吹き替え版が再開してくれるんじゃないかと期待していた。その時のためにできる限り本国のネタバレを見ないようにしながらこの4年間隠居していたわけですが……やっぱり続きを見たいわけですよ。

なので、覚悟を決めました。

ティーブン・ユニバースを吹き替え版で最後まで見たい。そのことは諦めてないし今後叶うように願っておりますが、字幕版とはいえ翻訳されたバージョンが提供されているんです。なのに避け続けるのか?このシーズン4の終わりという一番続きが気になるタイミングから?

やっぱり、ちゃんと向き合おうと思いました。スティーブン・ユニバースのことが大好きだから、ちゃんと最後まで見て感想も書き切りたい。ということで、これから少しずつ視聴を再開して感想も書いていこうと思います。


#123から#128までのエピソードはまだ感想を書けてない回がありますが、とにかく早く続きを見たいのでまたガッツリ本筋に関わる#127から書きはじめることにします!
(#127、128は4年前に視聴済みなので、初見の感想とはちょっと違いますが)

#127「あなたはパパ?」

序盤からチーズバーガーズリュックを思い出させる演出!こういうの粋だけど、ここにきて初期の演出を踏襲するのは逆にいよいよ最終章に向かう感じして切ない。そして行方不明になる住民たち。サワークリームがオニオンの行方不明届け配ってるの、つら〜〜〜〜い。弟だものね。バブ、過保護に見えて「娘は成人してるし彼氏と島かも」ってこういうところはすごいさっぱりしてるのな。

ここで初登場のアクアマリンちゃん!『あなたはパパ?』迷子ちゃんかな?CVはかないみかさん!これはかわいい間違いない。しかし、本来親がいないジェムズが父親を探すなんてことあるだろうか……?スティーブンの報告を元に似顔絵を描くジェムズ&コニー、かわい〜〜い。イラストにそれぞれ味があっていい。コニーのOTAKU絵…………パールさん絵上手いな。
アクアマリンちゃんは小柄で青い肌とワンピース。それから水?の翼があるのがちょっとラピスっぽいビジュですね。もしかしなくてもブルー派閥なんやろなあ!!それから手先のトパーズ。これまでの法則的に、小さい方が格上で大きい方が小間使いだったりするんだよな。

この回の印象的なセリフとして『アクアマリンのあたしに』って言い回しがある。ニュアンスからして恐らく「アクアマリン(名前)のあたし」ではなくて「アクアマリン(種族)のあたし」って意味で、アクアマリンはかなり高い階級のジェムズだと窺えます。

ジェムズにとって個体を示すのは識別番号で、「パール」「アメジスト」みたいなのはあくまで種族と役割の名称にすぎないんですよね。そしてジェムズは生まれた(造られた)時点で運命はほとんど決まっている。

つまりこの一言で、この子は自身がアクアマリンとして生まれてきたことを誇りに思っているくらいにアクアマリンは階級の高いジェムで、このアクアマリンにとって個体差はどうでもいい、という価値観が見える。ジェムズは人間と比べて、種族や個体に対する認識の多くが異なることがよくわかりますね。


#128「僕はママ」

アクアマリンと合体したトパーズの話を聞いて慌てるパールとガーネット。2人が来たってだけでダイヤモンドの指示だとわかるって相当悪名高い……というかダイヤモンドに直接仕えるポジションのジェムなんでしょうね。

友人の誘拐、拘束を前に狼狽えるスティーブンですが、アクアマリンちゃんはそんなスティーブンを見ても飄々とした様子。ここで、アクアマリンのいう「スティーブン」が他のキャラクターとは若干違うニュアンスであることに意識がいきます。どこか他人事というか、目の前に本人がいる感じじゃないような言い回ししてるんですよね〜そこで出てくるのが前話でも触れたジェムズ特有の「種族」と「個体」の価値観。

『このスティーブンはリストの全員を知ってるようね』『だってリストを作ったのはスティーブンの1人だも〜ん』

そう!アクアマリンは「スティーブン」を「個体」ではなく「種族」として認識しているのだ‼️

そりゃ地球には他にも「スティーブンさん」はたくさんいるわけだけど、それらが全員違う人間である、という認識はジェムズにとってはほとんどないようで。「スティーブン」と言ったら全員がぽっちゃりの少年で星柄のシャツを着ている種族という考え方をしているらしい。

まあ人間も特にこだわりがなければ柄の似た猫は全く同じに見えるようなものなのかもしれないが……。

そしてなぜアクアマリンはスティーブンの友人ばかりを探すのか。その答えもジェムズ特有の考え方にあります。

『パパ、コニー、セイディー、ラース、郵便屋さん、オニオン』『地球には6種類の人間がいるって報告したのはペリドット 2F5L-5XG』

シーズン1のスティーブン『人間は他にもたくさんいるよ!パパ、コニー、セイディー、ラース、郵便屋さん、オニオン😁』

あ、あの時か〜〜〜〜〜〜!!!!

伏線回収に定評があるスティーブン・ユニバースでも、こんな遠投な回収の仕方ある!!?!??あまりにも昔すぎてもう視聴者も覚えてないだろうからわざわざ回想まで入れる丁寧っぷり。これは初見で度肝を抜かれた。

そりゃそうだよね、当時のペリドットなら言われた通り報告するよね

つまりアクアマリンちゃんはスティーブンの友人を狙ったのではなく、「6種類の人間が1匹ずついたらいいでしょ〜」って感じで回収しにきたということ。これは多分アクアマリンが特異な考え方をしてるのではなく、ダイヤモンドからの「もう地球滅ぼすからとりあえず種類コンプリートして保護してきて」って指示なんだろうなあ…………。クリスタルジェムズも抵抗しますが……さすがダイヤモンドのお抱えジェムズ、つよぉい。この状況で『連れてくるのは生きた人間って指定されてたっけえ〜?』って言えるあたりアクアマリンちゃん、残忍!!脅しに負ける形でスティーブンがパパを名乗り、その場を突破しようとするも…………。

久々のアレキサンドライト!デッカいのはかっこいい!!!

しかしそんなアレキサンドライトすら止めてしまうアクアマリンちゃんの棒、クソ強いな…………(ジェムから取り出してないから武器じゃなくて故郷のテクノロジーかな)

そしてタイトルである「僕はママ」。スティーブンが言う「ママ」の正体、そしてその意味は…………前話の「あなたはパパ?」と対比させつつ意味がわかった時の肝の冷え方がかなり秀逸なタイトル(セリフ)だと思います。

去り際、小さく「愛してる」と呟くスティーブン。泣けるけど、そんな小さな声で伝わるわけないだろ!!!!!(大声)


〜𝟒 𝒂𝒏𝒅 𝒂 𝒉𝒂𝒍𝒇 𝒚𝒆𝒂𝒓𝒔 𝒉𝒂𝒗𝒆 𝒑𝒂𝒔𝒔𝒆𝒅〜



#129「人質たち」

自ら人質に名乗り出たスティーブン……となんか逃げ遅れてたラース!

トパーズ、ルビースクワッドに次ぐ正当な合体兵ですね。分裂時はそれぞれ左耳右耳にあるジェムがヘッドホン状になるのが中々イカしたデザイン。

また、合体時に対象を巻き込むことで拘束することもできるようで。これがトパーズ固有の能力なのかは判断しかねますが、ジェムズたちはあくまで質量のある光なので確かに無理ではなさそう。

一見剛鉄のように感情に欠けるトパーズ(達)ですが、実際は非常に合体のパートナーである互いを思い遣っているようで、スティーブンとラースの絆溢れる応酬に共感してなんか勝手に絆されてくれた!!こういうこともあるんですね〜

合体は肉体も精神も深く結びつく行為なので、危険性がないと判断されている同ジェム同士での合体でも感情に影響を及ぼすのですね〜だから合体を知らない上流階級のジェムと比べてルビーちゃんたちは感情的に豊かな印象があったんだろうか。のちにガーネットになるルビーなんか、サファイアに同情するところから物語がはじまってますからね。

#130「ローズの裁判」

こう、牢屋とかでもなく生活感みたいなもの含め一切なにもない空間に閉じ込められるのめちゃくちゃ怖いな……。

『4000年弁護士をやっていて報酬はこれだけ?』

せ、世知辛いのじゃ〜〜〜!!!

いやいきなり現れてなに!?誰!!?と思ったらまさかの弁護士!!ジェムズも訴訟とかするんや…………。この弁護士、この時点で名称不明なので仮に弁護士ちゃんと呼ぼう。片眼鏡が知的なイメージの素敵なジェムですね(見た目から名前予想するのマジで難しいんだよなこのアニメ)

故郷にきた以上、出てくるのは全員敵だと思ってたら「弁護士」という形でスティーブンに味方するジェムズが現れたのは素直に上手いな!と思った。完全に味方ってわけではないけど、弁護士ちゃんには弁護士ちゃんで勝ちたい理由があるんですね…………。

しかしこれはあくまで「ダイヤモンドの裁判」ということで、地球の法廷とはかなり勝手が違う様子。裁判官や傍聴人のようなジェムもおらず、ダイヤモンドに対して直接事実を説明したり意見を通す場なのかな?検察の立場もいるようで、こちらは弁護士ちゃんをそのまま黄色にしたデザインのジェム。一目でイエローの配下なのがわかりますね。弁護担当なのがブルーの弁護士ちゃんなのを見ても、この裁判は「一刻も早くローズを処したいイエロー」「とにかく真実を追求したいブルー」の代理裁判(?)とも言える気がします。これが字幕のいいところで、原語版(音声)では検察ちゃんはイエローを、弁護士ちゃんはブルーを「マイダイヤモンド」と呼んでるみたいですね。「マイロード」みたいなニュアンス?

しかし登場時のイエローとブルーのイチャつきったら…………なんなんだ!!!

証人としてラースやアイボールが連れて来られるのはいいですね。アイボール、ちゃんと帰れたんだ!よかったね…………。ブルーパールちゃん、真面目なようで落書きしててかわいい。

そして仕事であるからには弁護士ちゃんも決死の弁護。その推理も中々見事で、今まで明らかにされてこなかったローズクォーツのダイヤモンド暗殺事件への疑問は増えるばかり。

反逆者がダイヤモンドに近づけたのはなぜか?従者が声を上げなかったのは?パールはなにをしていたのか。

『ピンクダイヤモンドは地球の監督者』

これは新たな情報ですね。そして明らかになるブルーダイヤモンドの能力。彼女が青い波動を打ち出すと、それを受けた者はブルーな気持ちになってしまうのか?全員が涙ぐんでしまう。

以前、イエローがブルーを慰めようと歌ったとき歌詞の内容がだんだんと暗くなっていくのが印象的でしたが、それもブルーの影響だったんだろうな。一緒にいるジェムをブルーにさせてしまう……罪深い力だ。

ところで現時点だとブルーが哀、イエローが怒って感じがするけど、残る2体のダイヤモンドはそれぞれ喜楽だったりするんだろうか?喜怒哀楽って概念海外にはないかもしれないけど

#131 「はみ出し者」

バランキーンで脱出を図ったラースとスティーブン。その窓から見える秩序で磨かれた完璧な「故郷」……不気味な星だ。

犯罪者から一変逃亡者になったスティーブンとラース。そんな彼らを手招きして匿ってくれたのが地下に住む「はみ出しもの」のジェムズたち。

まず、半身を共有しているジェムズ。パパラチアちゃんにはルチルの双子と呼ばれてますね。彼女たちのジェムは腹部にありますが、1つのジェムにもう1つのジェムが刺さってるような枝分かれしてるような……Y字型をしています。複数のジェムがくっついた形は強制的に合体させられていたジェムズたちを思い出させますが……彼女たちとの違いは恐らく先天的かつ同一のジェムで構成されているところでしょうか。元はトパーズやルビーのような合体兵として作られたんですかね?正式名称がルチルクォーツならやっぱりクォーツの戦士?顔つきもそっくりで可愛らしい。でも声はちょっとずつ違いますね。かわいい


次にパパラチアちゃん。見るからにサファイアの2Pカラーって感じでかわいい!!元ネタを調べたら「パパラチアサファイア」とは赤橙のサファイアの通称だそうで、その通り本来はサファイアとして未来予知能力のため作られた様子。サファイアは手のひらにあったジェムが手の甲にあるのもいいね。しかし彼女の欠陥こそその不完全な予知能力で、『未来が見えたわ!』と言いつつも目の前で起こったことをそのまま予言っぽく話してるだけなのがとにかくかわいい!ちょっと無邪気で抜けてるのがすごくかわいくて、ガーネットが見たら気にいるだろうな。


そして合体ジェムズ。この子たちもこの時点では名称不明だったので仮に合体ちゃんと呼びますが、多眼に多腕と見るからに合体ジェムズの特徴を有してますね。ジェムも胴体に2つ。かつていた場所では『合体が許されなかった』とのことで、ガーネットのように愛し合って合体していることが言わずともわかる。メインカラーも赤色で、髪型や体格からも意図的にガーネットに寄せてる感じがありますね。半透明のパーツと高い鼻、パールが混ざってるのかな。よく見ると上腕の逞しさは戦士にも思える。

最後にフローライト。正直一見したときに度肝を抜かれました。言葉を選ばずに言うなら芋虫のような胴長の体型で、6つの節に腕と足がそれぞれ3対ずつついているかなり巨大なジェムズですね。彼女はなんと6体のジェムズが合体しているようで『いい出会いがあったら増えるかも』と言っているあたりやはり愛で合体しているのが窺える。とにかくその巨体と明らかに人体離れしたフォルムが強烈ですが、それをもろともせずにゆったりと浮遊する姿は優雅で、これが彼女特有の能力なんでしょうか。

6体ということで、異種ジェムズ同士の合体では今まで最大だったアレキサンドライト(パール、アメジスト、ルビー、サファイア)をゆうにこえる数字ですし、同種含んでもルビースクワッドと並びますね。ところで私はアレキサンドライトにローズクォーツが加わることで完全体(ジェムズの拠点にある像)になると踏んでるんですがどうなんだろう。個人的にはフローライトはかなり好きな宝石なのでどんな姿で登場するのか楽しみにしてたんですが、まさかこんな規格外のジェムズだとは。彼女がどんなジェムで構成されてるのかも気になりますね。


光もあれば影もある……今まで完全な生き物に見えていたジェムズですが、どれだけジェムズの技術が優れていても欠陥品が生まれてしまうのは防げない(アメジストも本来生まれてくる穴が小さすぎたり遅かったりした)ですし、クリスタルジェムズの影響がなくとも自ら愛し合い合体するジェムが故郷にもいたとは驚きだ。そしてそういうジェムに居場所はなく、彼女たちは地下まで逃げてきたようですね…………。ダイヤモンドの意思に反するジェムズがどうなるのか。元クリスタルジェムズたちの顛末を見れば火を見るより明らかですが、苦しい世界だ。パッと見少人数に見えるけど、数で言ったら11個にもなるジェムがはみ出しものとして追いやられてるわけで、ここだけでもかなりの数ですね。

そして偵察ロボに対する反応を見るに、彼女たちは戦闘能力を持っていないように見えます。合体ジェムズなんて相当強いはずですが、もしかして合体ちゃんは非戦闘ジェムズ同士のフュージョンだったりするのかな?先ほどの弁護士ちゃんのように故郷には戦闘要員以外のジェムズも多数存在するようですし。

ラース、最初は近所のやさぐれた兄ちゃんみたいなキャラだったのが後半にいくほど頼りなくて情けないキャラ付けが強くなっていったけれど、本人も自覚していたとはなあ。だからこそ漢を見せたラース!かっこいいぞ!!

#132「ラースの髪」

光源が暗くてわかりづらいけど…………このラース、なんか変!目に傷入ってるの、痛々しいけどかっこいいな。

一旦命を落としてしまったラースですが、喜ぶべきことにローズクォーツ固有の能力は「癒しの力」。正直「癒しの涙があるで大丈夫だあ!!」と個人的にはかなり緊張感なかったのですが、問題はそのあと。一回死んで蘇った……だけじゃなくなんか変だぞ!?ピンクだぞ!!?ラースはゾンビかゾンビじゃないか論争、なんとなくまどマギを思いだすやりとりだな。

『どんな色になってもラースはステキ』

フローライト、こういうところが6体惚れさせてきたんだろうな……。

そしてこの配色、見覚えあると思ったら…………ライオンだー!!つまりはその髪の毛にもライオンと同じ能力が……?友人の頭に入るってすごい状況だな。

しかも空間が繋がってる!!ということは……ライオンを通して地球に帰れる!!!なんてこったい。すごいことするなあ。ラース……もう人間に戻れないのかな…………。

『サンドイッチにするんだ!』
サンドの?』『一致イッチ?』

ここ翻訳めっちゃ上手いな。

『地球じゃありのままでいいし、隠れる必要もない』

それぞれ怖がられたり迫害されたりして隠れて生きる彼女たちにスティーブンがかけたこのセリフ。すごくいいセリフですが、ティーブン・ユニバースの制作スタッフが本心で言ってるとは考えられない

地球にも彼女たちのような「はぐれもの」は存在しますが、現実世界においてそのような個性を持つ人たちが自由に生きられているかっていうとまだまだ難しいと思います。それどころか、それが理由で隠れて生きている人も少なくはないでしょう。現実の地球はそれほどはぐれものに優しい場所じゃない、ということをスティーブン・ユニバースを作っている皆さんはもちろん知っているはずだし、中にはきっと当事者もいるはず。

それでも彼女たちに「地球でなら自然体で自由にいられる」と声をかけたのは、現実への皮肉もあればそういう場所であってほしいという祈りのようにも感じました

そしてラースがここにきた理由がわかった気がする。このコミカルさ、癒しだし初期から「友人」として出てるラースがすごく心強いなあ。スティーブンが頭に入る時、跪くのがかっこいい。それはローズにとってのライオンのように配下になったことのような気もしてちょっと切ないが…………。



#133「市長の責任」

正直に言うと、ここからの数話は「いやラースは!?!??」の気持ちであまり話に身が入ってなかった。ライオンがコニーと共に去った影響で戻れなくなってしまったみたいですね。

ということで市長に構ってる場合じゃないねん!と思いつつも、タイミング的にこれが最後の市長回かと思うとちょっと切なくはある市長回。デューイ市長、好感度も特にないけど嫌いにもなれない絶妙なキャラ付けなんだよな……。そして今回の件はマジで市長はどうにもできなかったやつなので普通に気の毒だ。このタイミングを狙うネネファー、やり手すぎて怖い。ビーチシティに政治はないんか!!

ちょっと髪が落ち着いたコニー、ママ似で美人だなあ


#134「別荘で休暇」

コニーから連絡!……と思ったらロナルドかい!!タイミングも内容もウザすぎる。

グレッグの印税、すごいな〜別荘まで借りられるのか。そんな家族水入らずのバカンスでどこか上の空でスマホいじってる息子。状況抜きにしても年頃だな〜って感じ。風呂にまで持ち込んでさあ。

と、ここで重要そうなのがガーネットの回想。『5750年前、ピンクダイヤモンドはこの星を破壊し……』と、シルエットではありますが当時のクリスタルジェムズの様子が窺える描写が。古参であるガーネットとパール、それからビスマスがいて、生まれるのが遅かったアメジストは不在。ここまでは納得ですが、ガーネットの後ろに小柄な見知らぬ影と、ビスマスの背後にも見慣れないフォルムのスマートなジェムが。このどっちかがビスマスが言ってた「スノーフレーク」なのかな?この回想にはローズがいないのも気になりますね。

しかしコニーから連絡が来ないのはここが圏外だからだーッ!!だからって一緒に電波探してくれるみんな、親切だな。



#135「ラピスの決断」

久々の納屋組だ〜〜〜〜!!!納屋の2人もスティーブンがどんな目にあったか事情は知っているようですね。宇宙のことを話せ‼️って興奮気味のペリドットを受けて、ダイヤモンドと裁判の話をすると顔色を変えるラピス。

『すぐに地球を発つわよ』

判断が早い!!でもラピスならそうするだろうなという確信はある。そして判断も早ければ行動も早い。

そんなラピスを畑の野菜や恋するキャンプで引き止めようとするペリドットですが……ラピスにはあまり響いてない様子。カボチャは?モープは?宇宙に全部持っていけるわけがない!いや、可能です。昔海を使って塔も建てたラピスなら、水の力で納屋ごと宇宙に持っていけるから!!プールの水を使って、納屋ごと持ち上げてみせるラピス。こんなことができるからこの能力チートなんだよな…………。

そして地球への未練を問われても「逃げる」という選択肢を一切譲らないラピス、本当にダイヤモンドを恐れているのがわかる。その恐怖はジェムの戦争により植え付けられたのか、故郷に帰ってからのことなのか。

それでも納屋ごと全部持っていこうとしてるのは、それだけラピスにとって納屋との思い出が大切ということだと思うんですけどねえ。なにより字幕版なのもあって『納屋での生活の全てを!』が原語版では「You & Me」と言っているのを聞き逃さなかった。地球との別れを察したカボチャは逃げ出してしまいますが……。私は空から探す!地上はあなたが!ポケモンでよく見たやつだ

『ラピスが動揺した時はこうして笑わせるんだ』『ラピスに必要なのは何のしがらみもない静かな生活だ。辛い経験ばかりしてるからな』

そうラピスのことを語るペリドット…………表情には心なしか疲れが滲んで見えますね。このシーン、何気ないんだけど風景がすごく綺麗に描かれていて、なんだかペリドットには地球が大切なのがよく感じられた。ラピスと比べるとペリドットは地球にも愛着があるみたいだし、とはいえラピスの地球から逃げたい思いも否定できず板挟みになっている様子。地球を発つのはラピスのためと言うけれど、ペリドットはどうしたいんだろうか。このまま地球とおさらばにはなりたくないようですが……でもそれを言えないままのペリドットの元に、ついにラピスが戻ってきます。今度こそ旅立つ準備を整えるラピス。ここで宇宙に発ったらこれっきりになるかもしれない。

『待て、ラピス。カボチャは嫌がってる』
『その子は無知だから』
『実は私も……行きたくないんだ』
『今、何て!?』


うわああああ!!!!!!

つ、辛い!!これは…………辛いぞ!!!

そのまま地球に残ってスティーブンたちと力になりたいというペリドット。素直に本音を伝えて、『一緒に戦おう』とラピスに手を差し出しますが……。

『戦争で捕まるのはもうこりごりよ』

気持ちを素直に伝えても、分かり合えないこともある…………。

一度に納屋とラピスを失ったペリドットに再度バスルームを貸し出すスティーブンですが、そんなスティーブンの元にもコニーから連絡はこない………………。本音を言えば和解できるわけでも自分の思い通りになるというわけでもなく。それだけではやっぱり駄目になってしまうこともあるというような、2人して失恋(違)に打ちひしがれるビターな終わり方の回でした。


この回はね、本当にラピス及び納屋組が好きな人間的には辛い回なんですが、ラピスが好きだからこそ納得ができるところも大いにある。

ラピスって基本的に戦わないジェムズなんですよね。戦えないということではないんだけれど、危機が迫ったときに立ち向かわない。

例えば#49「メッセージ」。この回でラピスは地球に向けて故郷から追手がくると警告のメッセージを送りますが、それは「絶対に勝てないから戦わないで、逃げて」という内容で、実際#52「脱獄」でも「大人しくしてれば乱暴されないから戦ってはダメ」とスティーブンに釘を刺しています。マラカイトとして海に閉じ込められている時も『わからない?ずっとこうしてなきゃ駄目なのよ。だから探さないで。あなたの助けはいらないわ』と助けを拒んでいる。

つまり、ラピスには「閉じ込められたくない」「逃げたい」という気持ちがある反面、現状や未来に対する強い諦念もあって、常になにか行動を起こすことを恐れているように見える。過去の強いトラウマがそうさせるのかもしれないし元から悲観的なジェムなのかもしれないけれど、マラカイトとしてジャスパーを押さえつけたり故郷から決死でメッセージを送る勇気はあるのに、自分が助かるとか戦って勝つみたいな選択肢を基本的には考えられないような。

そしてペリドットが手を差し出したのも愛だと思うけれど、「私と共に戦え」って手を差し出すのってまんまジャスパーと同じやり方なんですよね。だからこそ今のラピスがペリドットの手をとれたら綺麗だったのかもしれないけど、それにしてはラピスにとって過去のトラウマが根深すぎる。マラカイトだった時の記憶と恐怖がまだ鮮明なのは#93「海で2人きり」でも言った通り。合体というのは深く繋がり合う行為だからこそ、歪な合体は心に深い傷を残すし、その上で「また一つに戻りたい」とまで思わせてしまうから恐ろしい。分離した今でもラピスが不安定なのは、その影響もあると思う。

それもペリドットとの生活で癒えたかと思ったんだけども…………でもペリドットとの生活が何もかも無駄だったわけではないのは納屋ごと持っていこうとしたことから明白なんですよね!!それだけペリドットとの納屋での暮らしがラピスにとっては救いだったから、その全てを持っていこうとしたんだと思う。だからこそそのすれ違いがしんどくて…………。

ずっとなにかに閉じ込められたり逃げてばかりのラピスの人生。26話でも52話でも1人で行こうとしたラピスが、ペリドットなら一緒に来てくれると無垢に信じていたこと。ペリドットに拒まれて1人で逃げることを決意したときの苦しそうな表情。それこそが2人の間の積み重ねなんだと思う。

ラピスが本当に1人で行ってしまったことはショックだけど、ペリドットとカボチャに対する表情の1つ1つに彼女の変化も感じました。ラピスだって本当は2人と離れたくなかったし、心から一緒に行きたかったんだと思う。じゃなかったらあんな辛そうな顔しないよ…………。

そして逃げたところで新しく暮らせる土地が見つかるのかと言ったらかなり難しいと思いますし、ダイヤモンドたちを恐れてずっと納屋に引きこもり続けるというのは閉じ込められているのとどう違うのだろう?そうオタクは考える。

流石にこのまま退場とも思えないのでまだなにかあるとは思うんですが、とにかくラピスの気持ちが安らげる最良の場所へ辿り着けたらいいなと思う。

カボチャを見つけた時の心から安堵したような表情と、飛び去る瞬間に見せた一瞬の逡巡。それを見るとラピスにとって地球での全てがどうでもいいことだとはとても思えない。そこにラピスの本音があると思いたい。



#136「再び幼稚園へ」

失恋(違)に打ちのめされているスティーブンとペリドット。雰囲気が……暗い‼️そして重い

ということで久しぶりの小粒トリオ回。前回は擦れてるアメジストを2人が慰める図だったのが、今回は真逆と言っていいですね。バスルームにホームステイしながら感傷に浸ってるペリドット。辛い…………。家を失ったというのは大きいでしょうが、この荒れ具合はやはりそれだけには見えない。ラピスのこと……すよね…………。傷心のスティーブンですら気を使ってしまうレベルに痛々しい。ほな気分転換に幼稚園に行くぞ!転送装置じゃなくて「旅」を楽しむのもいいよね!旅をする〜

久しぶりの幼稚園。人間動物園にて地球生まれのジェムたちと出会ったからか、幼稚園の穴を「全部誰かの居場所だったんだ!」って素直に喜ぶアメジスト。幼稚園に対する認識がポジティブになってていいですね。

『髪型は鉄の含有量で決まる』『大切な仕事だった。幼稚園は命が生まれる場』

ペリドットの前職は幼稚園の「教師」とのことでしたが、もちろん生まれたてとはいえジェムズに教育が必要だとは思えないので……要は、有能なジェムを生み出し、戦士に育てるというニュアンスの教師?う〜む確かに人材ならぬジェム材を育ててはいるが。

以前もジェムの生産場として地球を利用することで取り返せないダメージを与えた的なことを言ってたけど、土中の栄養素を全部吸収したみたいなことみたい(言及されてたっけ)。土に栄養がないからか正しく草木一本も生えない、死んだ土地。幼稚園の仕事に誇りを持ちながらも自分たちがしたことを後ろめたく思うペリドット。辛い…………罪と向き合うってことってこういうことよね。

しかしそんな場所にも一輪の花が!!幼稚園は回復してるかも!希望が見えた!!

ということで幼稚園で花を育てる小粒トリオ。アメジストの変身能力の活用や転送装置での移動、だいぶ久々に見た気がする。そういうところも初期〜中期のエピソードっぽいですね。

なんとか幼稚園に向日葵を植え直す3人ですが……幼稚園に命が芽生えるわけはない!なぜならあの花はモンスターだったからだ〜〜〜!!!!!全部投げやりになって「空気読め!」って唯一元気だった花( ※ モンスター)に八つ当たりするペリドット、気持ちの荒れ方がリアルやな…………。

そして久々のスモーキークォーツ。本当にスティーブンとアメジストの特徴兼ね備えたいいジェムだなあ。『駄目になったものは二度と復活しない』そんな結論寂しすぎるよ。しかし失意のまま列車で帰る3人の目の前には一面の向日葵畑が。地球にはまだまだこういう場所がある。ペリドット……地球は綺麗な星だね(ここで出るのが"イエロー"の向日葵なのもいい)

#137「セイディ・キラー」

気づいたら敷かれてたセイディとクールキッズライン。スティーブンも交えてバンドやってるのはめちゃくちゃ平和だけど、クールキッズたちはラースの憧れの存在だと思うとなんとなくラースが気の毒なような…………。セイディのホラー趣味もそういえば。

こういう回はスティーブン・ユニバースの音楽センスの高さが存分に生かされていて良い!


#138「最高のパーティー

久々登場のケヴィン。お前に構ってる場合じゃ(略)って感じですが、ケヴィンが来たということは……そう!ステボニー回!!

ティーブン・ユニバースでもかなり珍しい憎まれ役でかつスティーブンがちゃんと嫌ってる男、ケヴィン。あのスティーブンがこんな対応してる時点で余程なわけですが、ケヴィンのパーティーにコニーがくると聞いて思わず誘いに乗ってしまうスティーブン。スティーブン・ユニバースにもこういうタイプの若者とパーティーが出てくることあるんだな……。「クール」の感じがめちゃくちゃアメリカっぽいし、これを見るとクールキッズたちがかなりかわいいのがわかりますね。

そして数週間ぶりに会ったコニー、髪を切ってる!!し、ライオンも一緒ですね。数週間もライオンを飼育してたと思うとコニー一家も相当器がデカいというかなんというか。

あの内気だった少女が一気に垢抜けただけでなく、ケヴィンの仲間たちとも物怖じせずに談笑してるこの……この、辛いよぉ。過去のエピソードでも示唆されてましたが、スティーブンと違ってコニーは学校に通ってるのでそっちにも少なからず知り合いがいるだろうし、出会った当初と比べて学校生活でも随分大胆になったみたいなんですよね。そんなことも感じさせるシーンだ。

一方で、スティーブンとコニーの関係を察してなんとか関係を修復させようと試みるケヴィン。全てはイケてるステボニーをパーティーに呼びたい私欲のためですが、こういうところが憎めないんだよな…………。

『あの時の俺とサビナになってしまう!』『サビナって誰……?』

まあ元カノやろうなあ!!そのことを指摘されて顔真っ赤になるケヴィン、頬に斜線が入るとかじゃなくカア〜ッッて顔中真っ赤になるのがかわいい。

ケヴィンの作戦はとにかく「お前がいなくても俺は楽しめてる」と見せつけること!やり方はあまりよくないけれど、自分にできる最大限の駆け引きをスティーブンに伝授してるケヴィンのこの感じは嫌いになれない。でもコニーが傷ついてんだよなあ!!!!2人を付き合ってると思ってたケヴィンは悪くない。スティコニーがちょっと運命すぎるから…………。

そしてちょっとぎこちないけど久々のスティコニの会話かわいすぎるな〜〜〜やっぱちゃんと話し合う方がいいよ!!ライオンに乗って飛び去るの、これはこれでめちゃくちゃクールだろ!!ということでスティコニぎこちない編は終わり……でいいのかな?




以上、4年半ぶりのスティーブン・ユニバース感想でした。#138から先はこの記事を書いてからにすると決めてたので、これから見ます!楽しみ!!