ネタバレ注意
「再会」「別離」
なんかもうね、やるせないし切ない。
多種多様な生物たちが生きるウー大陸と対比するような人間だけの街。人間だけの世界。(みんなコスチュームみたいなの着ててあまり人間だらけ感はないけど)
ここの人間にとってはそれが世界の全てで、この外にそんな世界があるなんて思いもしないんでしょうね。でもそれは今の私達も一緒かもしれない。海なんて宇宙と同じくらい謎があるっていうし、まだ見ぬ都市があってもおかしく無いし、その都市のものはこの世界は水浸しでその上にこんな世界があるとは思ってないかもしれないよね。
その倫理観のズレというか、かつての人間の価値観の生きる世界にジェイクのような異世界の者が持ち込まれた時の人間たちの興味と恐れが、なんだろうなぁ。その世界に存在無し得ない者が存在してるみたいな…人間たちの楽園に対するリンゴと白い蛇みたいな……(この辺の話は全く知らないしズレてるだろうけどニュアンスで言ってみる)
「ミネルバ」が概念化してるのも怖かった。
「ミネルバはどこにでも存在しているし、困っている人を助ける」
神様みたいな感じだよね、もはや。でも「救世主」「助けるもの」という存在が「ミネルバ」に集結してるんだから仕方ないよなぁ。
フィンが産まれた時よりも狂って乱れる世界の秩序が、怖い怖い。
ミネルバもさ…狂気的な庇護愛というか。でも気持ちわかる。わかるのが辛い。
何年も前に行方をくらませた息子が帰ってきたら、守ってやりたいと思う。
その息子を思う心と病的な庇護のズレが怖い。
「絶対に安全だけど自由のない場所とそこから逃げるもの」のことは先週の回でも思ったけど、まさにそれなんだよね。
「小鳥」に対する愛のあり方は「危険な世界に二度と出られないよう羽をもぐ」ことなのか「明日命があるかもわからない過酷な環境だとわかって放す」ことなのか、という…多分答えはない。
ただ、フィンにとっては後者が幸せだし、役割だし。
でももしそんな不幸が起こらずにフィンがずっとミネルバとマーティンの元で暮らして成長して、ずっとその幸せが続いていた世界でフィンが外に出たいと言ったら、ミネルバはそれを止めなかったんじゃないかと思う。
だからミネルバもマーティンも、変わってしまったと思うんだよね。だってマーティンもさ、昔は立派に父親してたじゃない。
きちんと幼いフィンの面倒を見て、あやして、知識を与えて、働くミネルバのかわりに家事もやってたっぽい？し。
確かにわざと犯罪を誘発して話にのったものの摘発をするような詐欺師的な行為は行ってたし、本当にどうしようもなくて面白グッズが好きな男だけど、それでも悪い人には見えないし、ミネルバもそこに魅かれたと思うし。
それがどうしてあんなイカれたコスチュームきて宇宙の監獄に投獄されるような悪党になって「母さんのことを思い出すと腹がたつ」ようなクズになったのか。
マーティンが言ってた「船の話」はフィンを一時的に宥めるための嘘だと思ってたけど、どうやら本当らしいし。
あの船が陸について新たな地に降り立った時。そこに広がったのがあんな世界だったらそりゃあ狂うだろうし色々変わってしまうよなぁ。
最初はこのアニメ狂ってると思ってたけど、人間の方がよっぽど狂ってるよな……。
それと、このシリーズがはじまって「フィンの母親」のことが少しずつ掘り下げられるようになってから、ずっとジョシュアとマーガレットのことを考えてたんですよね。
フィンにとっての育ての親だし、道中のフィンは産みの親か育ての親か試されるような気分だったんじゃないかとか。
ジョシュアとマーガレットはすごくいい両親だと思うし、フィンにとってはやっぱりあの二人が両親で……。
んー、この辺の話は難しいけど。
にしても今回のシリーズ、OPが違って出てくるのが人間だからかどうしてもアドベンチャータイムの、フィンの話って感じがしなくてな。次の回から普通にウー大陸に戻るのかと思うと全然、私がついていけないです。
自身の母親や人間について知ったフィンがウー大陸にもどって、そこでの生活はどう変わるんだろう。変わらないかもな。
人間たちの島は「番人」とかもろもろ、キャンディ王国の行く末を見てるようで辛い。
そういう意味ではバブルガムってすごく人間くさいのかも。
スーザンとの別れも辛い…辛いけど……(スーザン大好きなので)フィンのように彼女の新たな旅が良いものになることを祈って。またたまにでもウー大陸に戻ってきてほしいですね。
色んな伏線を回収したようで「ドクターグロスのウイルス」や「ウー大陸にたどり着いたマーティンの末路」とか謎が残るけど、大丈夫か？
