本当に、とてもつらい
(ストーリーの詳細なネタバレはないけど仕様や音楽に関する些細な情報も仕入れないで新鮮な気持ちでやりたいひとは戻ってね)
アプリの種類の中には「放置系アプリ」と呼ばれるものがありまして。基本的には時間経過で貯まる通貨のようなものを集めて、それで新しいアイテムを買って、さらに通貨が貯まる効率をよくしていき、その通貨を利用してストーリーを解禁したり数を増やしていく…ってシステムが多いでしょうか。
放置系アプリ、割と好きなんですよね。クリアするまでやったことはあまりないですけど…(急かすタイプなので待てないんですよね)
ゲームを選ぶ基準も人それぞれだと思いますが、私の場合、「雰囲気がいいか」とか「キャラクターがかわいいか」とかも選考基準だったりします。
いままでクリアした放置系アプリでいえば、「ゾンビ姉妹」はどのゾンビもかわいくて人外好きの血が騒いだし、「みどりのほし」(放置系ではないかも?)はドット絵のかわいらしさと、音楽やSEも含めた雰囲気も非常によくてお気に入りでした。
この「ひとりぼっち惑星」もグラフィックがすごくきれいなんです。
ぱっとみ黒、白、青緑、の三色ほどしか使われていない見た目ですが、そこが洗練されてるようですごく見てて気持ちがいいんですよね。(何かに似てると思ってたらパタポンでした)
キャラクターや出てくるオブジェクトも陰影がついてないシルエットのような見た目なんですが、そこもイイ。
それほど見た目が綺麗だったらやる気も起きますよね。
放置系アプリだったらクリアまで少し時間がかかるかもしれないけど、これだけ綺麗な見た目だったらモチベーションも続くかもな、って。
最初はそんな軽い気持ちで入れたんだと思います。
実際アプリを遊んでみると、流れるピアノのような曲が美しいし、アイテム収集音などのSEもいい音。
たまにノイズのような音や背景が乱れる演出が入るんですが、それも雰囲気出ててイイ。
「久々にいいもの入れたな」って、思ってたんです。最初のメッセージを受信するまでは。
攻略も紹介記事もほとんど読んでない状態でのプレイだったので手探りでやっていたのですが、そんななかなんとかメッセージを受信することができました。
どんなメッセージなのかなって。その時は、受信するメッセージは孤独や惑星をテーマにしたポエムなのかな、とでも思ってたんですかね。
なのでよりビックリしたんです。例えるならば…アドベンチャー・タイムで「戦争で人類が滅亡した後、主人公はたった一人の人間」だと知った時のような…。
ネタバレはしないって決めてるので詳細は自分の目で見てもらうとして、そのメッセージを受信して唖然としました。
「こんな世界観だったんだ」…って。
その後も夢中になって一日ですべて解禁して読破したんですが、すごいとつらいしか言えない。
なんていうんでしょうか、送られてくるメッセージではあまり多くを語られないんです。
それでも、この世界で人類がどういう道筋をたどってきたのか、どういうところへたどり着いたのか、そういうところがうっすら見えてくるような。
現状を穏やかに語る語り手もいるけど、「これはよくないことだ」って本能とか道徳とかそういうところで感じる気がするんですよね。
語り手が幼く無邪気になるほど狂気を帯びてくるような。
それが当たり前になってる怖さ。フィクションとはいえそれが当たり前になってる世界。
全て目にした後、思うことは人それぞれだろうし、開発者が一体どんなことを伝えたくてこのアプリを作ったのか。
それはわからないですけど、私は平和への祈りだと感じさせてもらいました。(もし真逆だったり違ったら恥ずかしい)
人間は愚かだと。語られるし見ていくうちに自分もそう感じるけど、最後のメッセージですべて覆されるような。
人間が愚かなら、せめて自分一人でも優しくあろうと思いました。
ところで、雰囲気だけならLIFE LINEとも似てますね。